宇宙の法則だと感じているもののなかに、
"投げかけたものが返ってくる。投げかけなければ返らない"
というものがあります。
これも、小林正観さんの著書であらためて気づかされた宇宙の法則です。
今日はこれにまつわるエピソードを書きたいと思います。
先日、私が経験したことです。
ある外資系生命保険会社の派遣社員の面接に行きました。
仕事の内容には非常に興味があり、フランス系の会社でもあり、社風にも興味がありました。
会議室に入ると、すでに関係部署の人たち3人が座って待っていました。
この3名にお逢いした瞬間、私は、「あっ、こりゃダメだな」
と思ってしまいました。
なんとなく温かみの感じないカチッとした雰囲気に私は無意識に反応してしまい、この人たちとは合わないと、どこかで決めつけてしまったようです。
けれども、面接でお逢いしてくださったのですから真摯に対することが礼儀であり、目の前にいる人を大切にするという私の流儀を大切にしようと思い、面接を受けさせていただきました。
けれども、心のなかでは、「やはりこの人たちとは合わない・・・」
そういう想いを打ち消すことはできませんでした。
面接もたんたんと進み、私のなかにできあがってしまったこの思い込みのフィルターのために、この3人は私には関心がないのだと、これまた決めつけてしまいました。
面接が終わり、一緒に同行してくださった派遣会社の人は私に先に出てロビーで待っていてほしいとおっしゃったので、ロビーで待っていました。
携帯電話を見ると、別の派遣会社の人から着信があったことに気がつきました。
今回の面接で私のなかに起こった決めつけがなければ、ふだんはこんなことはしないのですが、待っている間に私は着信のあった派遣会社にロビーから折り返しの電話をかけました。
このフランスの生命保険会社の面接はおそらくNGになるだろうと私は思いこんでしまっていたうえに、場所をわきまえずに電話をかけたのでした。
ところが、別の派遣会社の方と電話で話をしている間に、面接でお逢いした3人の方がロビーに来てしまいました。
慌てて途中で電話を切りあげ、この3人の方に携帯電話を切りながら礼をして、その場を去りました。
このときも私はこう感じていました。
「なんてタイミングが悪い。やはり、こことは波長が合わないな・・・」
ところがこの日の夕方に、このフランスの生命保険会社を担当している派遣会社の方から電話があり、「土井さん、好印象のようです」と告げられました。
正直、このギャップが信じられませんでした。
私は先方にはあまりいい印象を残せなかったと感じていたのです。
好印象を残せているというフィードバックをいただき、私は急にこの会社で働かせていただくビジョンを持ちはじめました。海外とのやり取りがあり、組織横断的に関係者の調整をはかるため、英語力とコミュニケーション能力を必要とする仕事であり、まさに私が望んでいる仕事でもあったからです。
そして後日、派遣会社の方から連絡があり、
「ご縁がありませんでした」
という結果をいただきました。
私は最近は、面接の結果についてはその理由を必ず聞くようにしています。
特に面接でNGとなった場合はそのフィードバックから学ぶことが非常に多く、そのフィードバックから自分にとっての盲点を客観的に見いだせるからです。
理由はかなりショッキングでした。
私の経歴や実力が不十分でNGとなったのではないのです。
「土井さん、帰られる際にお電話をされていましたか?その印象が先方に強い印象として残ってしまったようです。外資系ではチームでやっていける協調性が求められますので・・・」
ということでした。
これは本当にショックでした。
なぜなら、私は面接の第1印象ですでにこの会社とは合わないと決めつけてしまい、真摯に面接を受けさせていただいたものの、面接が終わったあとも第1印象に引きづられ、心のなかの態度をそのまま露呈することで、先方に嫌な想いをさせてしまったと感じたからです。
先方は面接のなかでは私に好意を抱いてくださっていたのに、非常に残念でした。
・・・いえ、違いますね。
私は心のなかの態度をそのまま露呈してしまったこと、そして心のなかを見透かされたことを悔やんだのです。
これがこの時の私の真実です。
私はNGの結果を聞いたとき、瞬時にふたつのことを想いました。
ひとつは、やはりこの会社とは縁がないのだ。あれほどまでにタイミング悪いことが起こるのだから、やはり行かなくて正解なのだ。
もうひとつは、私が投げかけたものがそのまま鏡となって私に還ってきている。今回の件は過去にも思い当たることを私はいくつも重ねている。ここから学ぶことがあるから今回の件が起こっている。
そして私がいま感じていることは、両方とも正解である、ということです。
おそらく真実は後者です。私の学びがクローズアップされているということです。
そして、自分を責めることなく、関わった人に感謝の想いを持ちつつ、この出来事から最大限学ばせていただき、私が成長するために選ぶ視点は、前者のような視点なのではないかと思います。
しかし、前者のみの視点でおりますと私は自分の思い込みという小さな枠から逃れることができず、また別の機会に同様の経験を重ねることでしょう。
大切なことは、学びが起こったとき、解釈を交えず素直に学びのテーマを受け取り、自分も他者も責めることなく、感謝の想いによって昇華し、自然と前向きになれるような視点から、次に進むことではないかと思います。
今回のこのフランスの生命保険会社での面接を通じたエピソードからは、本当に多くのことを学ばせていただきました。
そして、ロビーで待っている間に電話を入れた派遣会社を通じて紹介されているお仕事の最終確認のための面接が来週の月曜日にあります。私がそこで本気で働く気があるのかどうかを確認し、業務の方向性に関する意識合わせをするためです。
また、もしかしたら今週金曜日には、NGとなったフランスの生命保険会社のお仕事を紹介してくださった派遣会社を通じて、今度はアメリカ系IT会社での面接に進ませていただくかもしれません。
私にいまできることは、相手のことを決めつけずニュートラルな姿勢で真摯に面接に臨み、その瞬間のベストを尽くすことです。
そして、偽りなく素直な自分であることです。
今回のフランスの生命保険会社の面接の件で関わってくださったすべての人たちに、感謝の想いを捧げます。
ありがとうございます。
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Today's Photo:
"優しさを投げかける"[The Chalice Well, Glastonbury, England](1st May 2008)
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