ふと思い立って、男はつらいよの寅さんで有名な東京葛飾・柴又に行ってきました。
学生の頃から、柴又の商店街の下町情緒の雰囲気と、江戸川の土手から観える風景が大好きです。
商店街のなかに、大和屋という天麩羅がおいしいお店があります。
今日は、大和屋で天丼を食べました。
ランチの時間帯を過ぎているせいか、お客は私だけで、お店の人たちはのんびりとしていて、お店の素の雰囲気が感じられました。
お店の入り口近くのテーブルでは、おばあちゃんが昼ごはんを食べていて、なかにあるテーブルでは、おじいちゃんが伝票を見ながら帳簿をつけています。
奥では、おばあちゃん、おじいちゃんのお孫さんでしょうか、小学生低学年くらいの女の子がアルバイトの女性とお話をしています。
入り口近くにある流しでは、お店のお手伝いさんのおばさんが調味料のビンを整理したり、流しを綺麗にしたりしています。
入り口では、お店を切り盛りしていると思われる、きっと、この小学生の女の子のお母さんがお店番をしています。
私が席に着くと、おじいちゃんがこの女の子に声をかけて、
「お父さんを呼んできて。裏にいるから」
と言いました。
お父さんが出てきて、私を見て、
「いらっしゃいませ」
と言って、入り口にある釜で天麩羅を揚げはじめました。
このお父さんはどうやらお店のご主人のようです。
出されたお茶を飲みながら天丼が出てくるのを待っていると、小学4年生くらいの男の子が、
「ただいま」
と言ってお店に入ってきました。
帳簿をつけているおじいちゃんが、
「おかえり。今日は遅かったね」
と言いました。
男の子は、
「うん、サッカーやってきた」
と言いました。
きっと、このおじいちゃんのお孫さんなのでしょう。
天丼を食べていると、さっきの女の子がお遣いに行っていたようで、なにかをもらって帰ってきて、おじいちゃんにもらってきたものを渡すと、アルバイトの女性が、
「おつかれさま」
と言い、おじいちゃんは、
「ありがとう。あれ、ずいぶんおっきなものをくれたね」
と言いました。
お店が素の顔を見せている時間帯に入ってよかった、と感じました。
とっても懐かしく、心がやすらぎました。
私も小学生4年の時から中学校を卒業するまで、おばあちゃんの家で暮らしていた時期がありました。
いまでもこの時期は本当に幸せで、やすらぎの多い時間を過ごしていたな、と思い出します。一緒に暮らした私のおばあちゃんにとっても、私たちと暮らしたこの数年間が、本当に幸せだったようです。
子どもの頃の私が、ひょいっと顔を出し、古きよき日本の家庭を思わせる大和屋で、とても心温まる時を過ごし、あたりまえなんだけれども、なにか大切なことを思い出したような気持ちになりました。
とっても心温まるひとときを過ごすことができました。
ありがとうございます。
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Today's Photo:
"大和屋"[柴又 大和屋](1st May 2009)
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