鎌倉材木座にある古民家ゲストハウス、亀時間をご紹介します。
亀時間を知るきっかけとなったのは、お気に入りの鎌倉のカフェ terre verteを訪れた時のことです。
terre verteには、カフェやレストラン、お花の職人さんなど、鎌倉に集ってお店をひらいている方たちの素敵なカードが置かれています。
そんななか、目にとまったのが、「お台所と食卓の雑貨展 vol.3」と書かれた、こだわりを感じ、可愛らしさがあり、そして、どこか大人な上質感を感じさせる雑貨展の案内でした。
手に取ると、その雑貨展の開催場所に、「@亀時間」と書かれています。
直感が誘います。
直感が訪れたときには、素直にその感覚に従います。
陽が落ちかける夕刻の時に、亀時間のある材木座の街に着きました。
材木座の街は静かで、懐かしさを感じさせる雰囲気があり、精神を穏やかにしてくれます。
呼吸がのどのあたりまでしか入らなかったのが、身体が柔らかくなり、ハラまでゆっくりと呼吸が入るようになる感じです。
亀時間に入ります。
ラストオーダーギリギリの16時半です。
一組のカップルがお茶を楽しんでいます。
そのカップルは静かに、微笑みながら語らい、穏やかな雰囲気でお茶を飲んでいます。
コーヒーと、ジャムとクリームチーズのオープンサンドを注文しました。
とても静かです。
夕刻の時の静けさが、精神と身体に染み渡ります。
コーヒーを飲みながらくつろいでいると、カフェの真ん中に祭られているとてもおおきな神棚が目に入ってきます。
その神棚は、とても大切に祭られているようです。
流行からではなく、長らく安定し、人に親しまれるお店は、神棚をとても大切に扱います。
人を神聖な気持ちにさせる場が綺麗に保たれていると、清浄さ、落ちつき、穏やかさがもたらされます。
この神棚は、亀時間を象徴しています。
亀時間の神棚は、時の流れを刻みながら人の盛衰を見守り、この土地のエネルギーの循環を清浄で、穏やかなものにし、この土地に暮らす人たちを静かに守っています。
カフェでお茶をしていると、心の静けさが、少しずつ広がっていきます。
まるで、瞑想をしているかのように...。
精神が穏やかになっていきます...。
注文したコーヒーはコクがありマイルドで、心が和みます。
オープンサンドは手作りの温かさが伝わり、素材も上質で、いい感じです。
至福の時です...。
ひとり静かにたたずんでいると、亀時間が醸し出している雰囲気に、どこか、懐かしさを感じはじめます。
その懐かしさは、私がアフリカ・ザンビアに2年間滞在していた時の感覚とつながっています。
不思議です...。
亀時間は、古い日本家屋を丁寧に改築して生まれたゲストハウスです。
それなのに、海外、異文化、異国の地を訪れることを愛する人たちがつくりだす雰囲気があります。
亀時間をつくり、守っている人たちの感性は、日本人の枠にとらわれない、自由奔放で、ダイナミックな動きと流れ、そして、人と人との穏やかなつながりを感じさせます。
亀時間は、静かなたたずまいと神聖な空気感、そして、異文化の風が穏やかに共存する、身体、精神、魂が、静かに共鳴する場です。